
ケンウッドのアンテナチューナAT-130です。某販売店の売り出しの際に新品で購入しました。
移動運用ばかりやっていた時代に、アンテナのミスマッチを補正するため必要と考え、買い求めました。
小型トランシーバTS-130S/130Vに合わせたデザインで、サイズも小さくなっています。
周波数は3.5から28MHzまでで、WARCバンドを含む8バンドに対応しています。接続出来るアンテナは1本だけですが、チューナを通さずにリグとアンテナを直結することも出来(THROUGHポジション)、当然の事ながら大変便利です。
また、小さいながらもSWRメータも内蔵しており、SWRを確認しながらバリコンの調整が出来ます。整合を取る以上、SWR計は必須なので、内蔵は大歓迎です。
パワーは100Wまでですが、130シリーズならば心配ありません。

小さなケースにコイルとバリコン、ロータリースイッチがギッシリと詰まっています。
バリコンは大型のタイトバリコンですが、500V耐圧のようです。
コイルは21MHz以上用の空心のコイルと18MHz以下用のトロイダルコアに巻いたコイルを直列接続しています。
空心コイルは線径2mmのしっかりしたコイルですが、タップからロータリースイッチまでの距離が長く、Qが低下する等の影響がありそうです。短くする手段がないので、評価は出来ませんが。
蛇足ですが、トロイダルコアはサービスマニュアルの回路図ではT-200-2だそうです。
基板はSWR検出回路で、トロイダルコアで進行波・反射波を拾っています。

特に調整すべき点はありませんが、ロータリースイッチの接点を洗浄しました。アルコールと綿棒を使いますが、4回路ありウエハーの間隔が狭いので、外側以外は綿棒がうまく入りません。スプレー接点洗浄剤を併用しながらクリーニングしました。
入出力のMコネクタのGND、本チューナーの筐体GNDが、左写真矢印に示したようにメッキ線で接続されています。バリコン・固定コンデンサのGNDも配線で接続されています。
他社のチューナーでコネクタのGNDは裏面シャーシ(鉄板)とネジ止めで接触するだけ、コンデンサのGNDも銅版を通じて底面シャーシ(鉄板)にネジ止め、これらシャーシ同士はネジ止め・・・と、高周波的に同一電位でないGND処理がなされていました。
高周波の一流メーカーですから、配線に配慮されているのは納得ですが、コストアップを許容すれば銅板で結んでもらいたいところです。
SWRメータの照明用電源コネクタが付いていました。ケンウッドのモービル機で使われた2Pのコネクタです。
わざわざ電源を接続した方が多数いたのか不明ですが、モービル運用であれば照明も必要だったことでしょう。