2008.5.30作成
2009.5.16追記
2009.8.6修正
2010.10.5追記
ヤエス FT-224
☆周波数・モード | 非公開 |
☆定格出力 | 非公開 |
☆最大周波数偏移 | 非公開 |
☆送信周波数構成 | 非公開 |
☆受信周波数構成 | 非公開 |
☆マイクインピーダンス | 非公開 |
☆受信方式 | 非公開 |
☆受信感度 | 非公開 |
☆通過帯域幅 | 非公開 |
☆電源 | 非公開 |
☆消費電力 | 非公開 |
☆寸法・重量 | 非公開 |
☆発売年・定価 | 非公開 |
リグの説明
![](ft224/ft224a-front.jpg)
ヤエスのVHFトランシーバとしては初期の製品です。当時のヤエスはHFが主流でしたから、144MHzのモービル機は他社に比べて人気は(JAでは)ありませんでした。
オークションで入手したのですが、取説も回路図もありません。水晶に彫りこまれた基本周波数から、オーソドックスな周波数構成と判断しました。
フロントパネルにCM-SMというスイッチがあります。受信のセンターメータとメータの切り替えですが、センターメータがあっても受信周波数を補正するRIT(ヤエスの場合はクラリファイヤ)はありません。周波数調整が目的ならスイッチは裏面にあれば十分で、中途半端です。
後述しますが、フロントパネルの型名とスイッチぼ文字が薄く読みにくかったので、シールを自作して貼りました。この画像を無断転用しても、すぐに分かるのでご注意をHi。
![](ft224/ft224-2.jpg) |
![](ft224/ft224-3.jpg) |
上面 |
下面 |
発振回路
送受信16チャンネルが実装されていました。バンドプラン外の3チャンネルは除いて送受信周波数をチェックしました。
受信は14MHz台を発振、9逓倍して134MHz台を得ます。最大約6KHz低くなっていたので、トリマで補正しました。1チャンネルは発振しなかったので、手持ちを探したところトリオのTR-7200シリーズの水晶がたまたま動作しましたので代用しました。
送信は16MHz台の9逓倍です。これも1チャンネルを除き誤差2KHz以下だったのでトリマで合わせこみました。約8KHz低く発振するチャンネルがありましたが、これは誤差2KHzまでしか追い込めなかったので、廃棄しました。
受信部
![](ft224/ft224-6.jpg)
最初に目視で発見されたことを改善しました。
まず気づいたのは、コンデンサが外観上劣化していることでした。(右写真の矢印)
表面の絶縁物が剥がれ、電極らしきものが露出しています。古いリグに散見される現象ですが、性能にも影響しそうです。
異常は、中間周波増幅からスケルチ回路らしき箇所までです。外してみると、すべてYAESUの名が書かれたコンデンサです。中間周波増幅部の8個は手持ちの積層セラミック、スケルチの3個はマイラーに交換しました。
当初はスケルチが効かなかったのですが、今度は正常に閉じるようになりました。中間周波増幅は調整前だからでしょうか、変化ありませんでした。
![](ft224/ft224-5.jpg)
次はメータ、左端の0点よりもさらに左にズレて振り切れています。電源を切っても同じでしたので、メータ自体の0点がズレていると判断、分解して矢印の箇所を調整しました。メータ修理・交換は、分解に苦労します。
さらにフィルタ、455KHzがワイド仕様のCFM455Dです。ナローのCFM455Eの残りが少なくなったので、小型プラスチックパッケージのCFU455Eを転用しました。もちろん形状は同じではありませんから、リードを延長して配線します。CFU455Eはオークションで入手しました。
また初期データを取得後、隣接周波数からの影響を感じました(フィルタが切れていない)。10.7MHzのフィルタもワイド仕様(FMT-30と刻印されているので、恐らく30KHz幅でしょう)のようなので、これもオークションで入手した15KHz帯域のフィルタ(10M15A)に交換しました。スカート特性は甘いのですが、従来よりはマシなようです。
以上の改善後、受信回路を調整しました。144-146MHzの帯域内で、バンドパスフィルタをいかに均一な特性にするかがポイントですが、今回は144-145MHzで感度最大にすれば145-146MHzでも十分な特性になりました。
調整前後の特性は以下の通りです。
感度は1uV入力でS/N28dB(F=145.00MHz)でした。
![](ft224/sbefore.gif) |
![](ft224/safter.gif) |
![](ft224/sgraph.gif) |
調整前 |
調整後 |
バーグラフ表示特性 F=433.0MHz |
最後に、メータを調整しました。145.00MHz 30dBu入力でフルスケールになるように合わせました。センターメータも、ディスクリコイルを調整し、中央に合わせ込みました。
送信部
![](ft224/power.gif)
低周波増幅部のコンデンサ3個が外見上劣化していたので、マイラーコンデンサに交換しました。
パワーは全バンドで10W以上出ています。ドライバ・ファイナル部のトリマを調整したら、11.5W以上出るようになりました。
マイクゲイン・デビエーションは、前オーナーがナロー化したようで、現状でも問題ありませんでした。
![](ft224/ft224-4.jpg)
スプリアス特性は十分で、2倍高調波が-60dB以下でした。
F=145.00MHz、 X:50MHz/div、 Y:10dB/div
その他
![](ft224/ft224-7.jpg)
周波数表示を変更しました。
前オーナーは昔懐かしい「ダイモテープ」を貼っていましたが、今はプリンタの時代です。ラベル用紙に周波数をプリントして貼り付けました。このリグは作業が楽です。
また、フロントパネルのリグ名・メータ切り替えの文字が薄く読めません。これもラベルを自作し、貼り直しました。いずれ日焼けで変色しそうですがHi。
もう一つ、フロント面左上のプラスチックが欠けていました。自動車修理用のエポキシパテを埋め、黒色アクリル塗料で塗装しました。表面は平坦になりませんでしたが、全く気にしませんHi。
(フロントパネルの写真は修正してあります)