2005.3.1作成
2007.10.2修正
2010.9.26追記
ケンウッド TR-8300
☆周波数・モード |
430MHz FM 23チャンネル水晶式 |
☆定格出力 |
非公開 |
☆最大周波数偏移 |
非公開 |
☆送信周波数構成 |
非公開 |
☆受信周波数構成 |
非公開 |
☆マイクインピーダンス |
非公開 |
☆受信方式 |
非公開 |
☆受信感度 |
非公開 |
☆通過帯域幅 |
非公開 |
☆電源 |
非公開 |
☆消費電力 |
非公開 |
☆寸法・重量 |
非公開 |
☆発売年・定価 |
非公開 |
2010.9.26
オークションの無断リンクが依然としてあるので、上記仕様を非公開とします。
このリグの説明
前モデルのTR-8200は送受信発振をシンセサイザで構成していましたが、このモデルは1周波数で送受信各1個の水晶が必要な方式に戻ってしまいました。シンセサイザによるスプリアスの問題があったのかもしれません。
また、仲間同志のプライベートチャンネルを追加する点でも、8200はわずか4chだけ追加可能という制約がありました。
時代と逆行する感はあります。・・・・本当のところは価格を下げるためかな?
デザインは前モデルを継承しています。周波数が実装されているかを確認するLEDとモニタースイッチが付いています。
実装周波数は、現在ダイヤル表示どおりの432.24〜433.72MHzが入っています。後述する理由で、もう1台部品取りのジャンクを入手し、さらに2チャンネル追加しています。
受信部
![受信部](tr8300/tr8300-3.jpg) 高周波増幅・第一ミキサーのデバイスは、8200と同じ2SC1070です。RF出力の同調回路が3段になっています(8200は2段)。第一中間周波数は10.7MHzと一般的な周波数になっており、クリスタルフィルタが採用されています。
調整前のデータが行方不明でしたが、見つかったので追加記載します。(2005.3.7)
調整前にデータを取ると、433MHz以下で感度が芳しくありません。
スペックでは、周波数の範囲は431〜434MHzです。調整ズレか劣化と判断しました。
高周波増幅出力の同調回路を調整すると、感度が上がってきます。432.24、433.00、434,04MHzの3ポイントで感度調整をしました。
調整後はフラットな特性になりました。メータは433.00MHzで2目盛りくらい振れるようになりましたが、弱い信号(S2以下)に対して振れが鈍いようです。
メータが振れないと感度が悪いように思えますが、8200よりは良好です。
![調整前](tr8300/8300before.gif) |
![調整後](tr8300/8300after.gif) |
調整前 |
調整後 |
![S特性](tr8300/smeter.gif) ならば、メータの振れだけの問題では・・・・とメータ調整VRを回しましたが、回しきっても適当と思われるところまでメータが振れません。変な検討はせず、終わりにします。
感度は規格をほぼ満足しており、1uV入力でS/N32dBでした。
Sメータの特性は右図のようなものです。(F=433.00MHz)
ナロー化は実施済みでした。(右下に見える455KHzのセラミックフィルタを交換するだけです)
近接周波数のカブリの有無も大丈夫なようです。
送信部
前所有者から、「ファイナルが飛んでいて、電波が出ません」というメッセージがありました。ファイナルだけなら何とかなるさ!と譲っていただいた以上、何とか電波が出る状態にしたくなりました。
![送信部](tr8300/tr8300-2.jpg) M型コネクタにパワー計をつなぐと、0.1〜0.2W程度電波が出ています。送信部を開け、自作の高周波プローブを順番に当てて故障箇所を探ると・・・・ファイナルではなく、ドライバトランジスタがNGなようでした。強引ですが、ドライバ入力回路と次段のファイナル入力回路を接続してみたら、パワーが3W出ました! (右写真の右側の黒い同軸、左側は元の同軸)
このトランジスタ、モトローラの2N5944(別名2SC1486)でした。形状もやや特殊で、手持ちもありません。TR-8300のファイナルユニットのジャンクが入手出来たので、ファイナルの2N5946を取り外し、壊れた2N5944と交換してみました。 入出力のトリマを回すと、パワーが出ます・・・・が、せいぜい2W止まりです。ドライバ出力回路のトリマ・コンデンサを交換しても改善されません。石は生きているようですが、現状の入出力回路と整合しないようです。2N5946は2N5944よりもパワーが出る石なので、何とかなるサ・・・とはいきませんでした。出力容量Cobの問題でしょうが、大は小を兼ねませんHi。
結局、TR-8300のジャンクをもう1台見つけて購入(本体1000円+送料800円)、2N5944を外して入れ替えたら見事に10W出るようになりました。トランジスタ自体が秋葉原でも廃品種で同等品すら入手困難ですし、あっても1,500〜2,000円程度でしょう。費用の点では妥当な判断と思います。 前段とファイナル部も再調整し、最終的には12Wが得られました。
送信のほうも、ナロー化済みで問題ありませんでした。(2個の半固定抵抗で調整します)
その他
送受信周波数は周波数カウンタで調整しました。受信で最大12KHz程度ズレていましたので調整しましたが、1チャンネルだけトリマ容量が最大になっても2KHzズレています。水晶も劣化しますから、このあたりは妥協します。 20チャンネル全ての傾向で見ると、全て周波数が低めでした。(0〜12KHz、平均5.5KHz) 発振回路のトランジスタ・コンデンサの経年変化かも知れません。交換すれば直るかも?
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