レストア
注意!
オークションの無断リンクがあるので、仕様は非公開です。
2007.8.22作成
2007.9.27修正
2008.11.12追記
2010.9.26追記

トリオ TR-2200

☆周波数・モード非公開
☆定格出力非公開
☆最大周波数偏移 非公開
☆送信周波数構成 非公開
☆受信周波数構成 非公開
☆マイクインピーダンス非公開
☆受信方式非公開
☆受信感度非公開
☆通過帯域幅 非公開
☆電源非公開
☆消費電力非公開
☆寸法・重量非公開
☆発売年・定価非公開

リグの説明

144MHzの1Wハンディ機です。約10年後に登場した片手で持てるリグ(TR-2400)に比べてまだまだ大型ですが、当時としては超小型で画期的なリグでした。
水晶発振の6チャンネルですが、外出時に容易に携帯出来るリグという点をアピールしていました。新幹線からの運用記がCQ誌に掲載されていたように記憶しています。
これまでのハンディ機は50MHzばかりで、電池は単一か単二マンガン電池を9本使用していました。このリグはニッケルカドミウム(Ni-Cd)電池を10本標準実装していたようで、電池が小さくなりVFOが無いぶんだけ体積が小さくなりました。
また、上面写真の左下に緑色のトランスが見えますが、ニッカド電池充電のためにAC100Vを12Vに変換するものです。ダイオードの両波整流回路を経て充電されます。
上面図 下面図
入手時には電池ケースがあった(電池なし)のですが、液漏れの影響か緑錆がありボロボロでした。今更持ち運びする気もないので、電池ケースとコネクタは外しました。

発振部その他

受信の発振回路が動作していませんでした。全チャンネルダメで、動作品のTR-2200Gの水晶を入れても発振しません。
発振回路のコイルL4のコアを1回転くらい回したら発振するようになりました。標準実装チャンネルの145.32MHzの水晶のみNGなので手持ち品と交換し、全ての水晶で安定して動作する点に再調整しました。
送信は145.00MHzのみ発振しませんでした。これも水晶の劣化で、手持ち品と交換しました。
TR-2200とTR-2200G・TR-2200GIIの水晶は互換性があるようで、差し替えても問題なく発振します。以下、調整時にも他機の水晶を活用しました。TR-7200シリーズは、送信周波数構成が同じでも発振しません。
送受信ともナロー化されていました。受信フィルタはオリジナルではLF-C20のようですが、LF-C15Bに変更されていますし、スケルチ回路もメーカー発表どおりでした。送信もマイクゲイン・デビエーション調整もそのままでOKでした。

受信部

受信は一応出来たので、調整しました。水晶の手持ちの関係で144.60-145.56MHzの範囲で調整を試みました。 調整前は低めが良好ですが、145.00MHz付近に最良点を持っていきました。おおよそS4つアップしました。第一中間周波増幅のコイルL9の調整が有効でした。
調整前 調整後 S特性(f=145.00MHz)
受信感度は1uV入力でS/N29dBでした。
(2008.11.12追記)
他のリグで不具合の発見されたトランジスタ2SC460を6本交換(代替品は2SC829)しましたが、大きな変化はありませんでした。トランジスタのhfeは全て100以上ありました。
出回っている2SC460全てが異常ではなく、ロットの依存性があるようです。気になる点はありますが、他のリグの変更結果から判断したいと考えます。
ついでに、メータを20dBuでフルスケールになるように調整しました。30dBuフルスケールだと、25dBu以上でメータが振れにくくなり飽和傾向です。
受信感度も再度測定しました。当時のトリオは、変調条件を変調周波数1KHz・周波数偏移5KHzで評価していたようです。(ナローFMのTR-2300の資料から判断)
この条件では1uV入力S/N32dBでした。
前記の29dBは周波数偏移3.5KHzのデータです。

送信部

パワーは電源電圧13.8V時に約1.5W出ました。規格は十分満足しますが、スプリアス特性があまり良くありません。基本周波数の±約12MHzで-53dBの不要成分が観察されました。(下写真) 2倍以上の高調波も-55dBあります。
製品仕様では不要輻射は1mW以下(1Wに対し-30dB以下)なので合格ですが、もう少し低く抑えたいところです。10Wのブースターを追加する時、高調波はブースタ内のフィルタでも改善できそうですが、近接成分はカットが難しいと思います。
調整前(F=145.00MHz) 調整後(同左)
12MHzの原発振をX3、X2、X2と3段で逓倍していますが、逓倍段のコイル6個(各段コイル2個のスタガ同調)をスペアナで観察しながら調整し、不要成分を追い込みました。
周波数によってレベルが変化するので、繰り返し調整が必要でした。
調整後は±12MHz成分が-60dB以下、2倍高調波が-57dBに下がりました。
マイクゲイン調整、デビエーション調整は念のため実施しましたが、ほぼ調整不要でした。
ファイナルTrは2SC730ですが、ヒートシンクが小さめです。それなりに発熱するので、大きなものにしたいところです。

その他

マイクコネクタは小型の3Pで、現在市販されていません。TR-7100用のマイクがあったので、流用しました。
TR-1200も同じタイプです。