オリジナルでは、動作可能周波数は432.00-433.98MHzおよび439.00-439,98MHzだけです。当時のJARL制定430MHz帯使用区分に従っており、FMで電波が出せない範囲は受信も出来ないようになっています。
しかし、区分は変更がされることがあるわけですから、改造すれば使用範囲を変えられます。これはメーカーからも資料が発表・添付されており、コントロール部のダイオードを1本切断するだけで432-440MHzまで連続使用可能になります。
430-432MHzも変更可能なのですが、ディスプレイの表示値は変更できません。あえて必要性もないので、430-432MHzへの改造は実施しませんでした。
また、アンテナコネクタがM型からN型に変更されていましたが、そのまま残しました。
受信周波数を決める水晶発振の周波数を確認しました。水晶は432.00-436.00MHzで1個、436.02-439.98MHzで1個あります。
第一局発に相当する400MHz台まで逓倍すると、前者が1.1KHz低くなっていましたので、調整しました。後者は誤差300Hz程度で問題ありませんでした。
受信は悪くなさそうでした。従来の方法で432.00MHzと439MHzで調整を繰り返し、以下のような結果を得ました。
Sで1から1.5アップしたようです。中間周波増幅IC uPC577Hの入力側コイルの調整で、大きな効果がありました。
![](ic370/ic370-4.jpg)
調整の過程で、436.02-439.98MHzで周波数が表示と合っていないことに気づきました。約5MHz低いのです。
何のことはない、送信周波数を決めるための水晶発振子が取り替えられていました。(右のマル)通常よりも5MHz低い周波数、つまりレピータ送信用になっていたのです。
そのまま活用しようとしましたが、周波数が10KHz以上離れており調整しきれません。使用する意味もないので、このまま放置し、いずれ水晶を撤去するつもりです。
432-436.02MHz側の水晶は誤差100Hz以下でぴったりです。
送信出力は、432-436MHzで10W出ます。ドライバ段を調整してみましたが、10.5W止まりでした。これは良しとします。
![](ic370/ic370-5.jpg)
さて433MHzでスプリアス特性を確認したら、妙な現象が発見されました。本来の周波数の上下約50MHzに-50dB程度のスプリアスが出るのです。しかも、これは
送信してから数秒後に減衰して見えなくなります。受信に切り替えすぐに再送信するとほとんど現れませんが、受信から送信までの時間が長いと同一レベルの異常成分が出ます。
左写真はメモリした後に撮影 X:20MHz/div、 Y:10dB/div
周波数から推定して水晶発振(受信47.33555MHz、送信47.78MHz)の8逓倍・10逓倍成分ではないか?と考えます。いずれ消失するという点から送受信の切り替え(ダイオードスイッチで送受信の水晶を切り替えます)タイミングやバイパスコンデンサの不良を疑いましたが、決定的な点がありません。
結局、ドライバ回路のトリマを調整していくと完全に消失することがわかりました。パワー計で出力最大にするだけでは、このポイントがどこかは分かりません。
432.00-436.00MHzまでは動作するトランシーバになりました。
送受信の基本機能はまだまだ現役で使えます。メモリのバックアップ機能がないので、電源を切ると周波数が初期値の433.00MHzに戻ってしまうのと、100KHz・1MHzステップの早送りが出来ないのが難点ですが、まあ使えないことはありません。