電波は水平方向(真横)にのみ飛ぶのではなく、必ず上下方向にも放射されます。したがって、地面からの反射成分が合成されます。反射成分は地面の反射効率によって変化し、一律ではありません。
今回の「フリースペース」とは、「地面が存在しない場合」=「地上高が非常に高い場合」と考えて良いでしょう。水平面より下へ放射されたエネルギーは反射せずに消えてゆくようなものです。
実際的ではありませんが、アンテナ自体の実力を単純比較する場合には適したものです(アンテナメーカーが出すデータの多くは、これでしょう)
結果は下左図のようになります。上が水平面、下が垂直面のビームパターンです。周波数が28.5MHzの時の値です。
青色のパターンが従来のもの、緑色のパターンが今回設計したものです。
ビームパターン(フリースペース) | ビームパターン(パーフェクトグラウンド) |
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青色が設計変更前のパターン、緑色が設計変更後のパターン
数値は再外周を0dBとしたときの相対利得(dB) f=28.5MHz
パーフェクトグラウンドは地上高 8mの値