コンテスト書類の書き方
2007.9.19 加筆修正
はじめに
某コンテストの審査を担当しましたが、記載不備がかなりありました。以前も同様な経験をしましたが、当時の不備内容とほとんど変化がありません。 少しでも参考になればと考え、ここに事例と理由を記したいと考えます。 まだ改善すべきもの、表現の足らない点があるかもしれませんが、枝葉末節を細かく書いても長くなるだけと判断しましたので、この程度に止めてあります。
内容に関するご意見をメールでいただければ、検討の上掲載させていただきます。 本内容に関する権利を主張します。無断転載を禁じますので、事前に連絡をいただきますようお願いします。
1)書類形式一般
- 紙サイズは指定されたものを
- 紙のサイズはA4で!という指定があっても、以前JARLから発行されていたB5サイズの用紙をお使いになる方がいます。JARLコンテスト委員会では失格扱いになります。
書類審査をする際、サイズが違うとファイリングしたものを見落とす危険性があります。発表後の順位訂正等ミスは避けたいのです。
- A4サイズの場合、従来のB5用紙をA4に拡大したものはNG
- 現在のA4書式と旧B5書式のサマリーの記入項目が違います。また、ログシートはB5では1枚40局、A4では1枚50局記入出来ます。局数チェックの際混乱しますし、記入モレがあっては困りますので受理されない可能性があります。
- 自作フォームは同一形式で
- プリンタ印刷した書類でも受け付けられますが、大きく書式を変更してはいけません。
「大きく」の意味は、記入項目が省略されずに全てあることは当然のこととして、位置関係が逆になっていたり、大きくズレていたりした場合です。 表現が微妙ですが、ファイルで綴じられた資料で同じ項目をめくって調べる時に目線があちこち移動するようなズレは審査員が疲れます。また、ログシートが1枚50局でなかったりすると計算チェックに困ります。
このような不備も書類審査が長引く原因なのです。最悪の場合は失格になるかもしれません。
- 書類用紙は普通紙で
- 感熱紙やトレーシングペーパーのような透ける紙は使用しないで下さい。長期保存が出来ませんし、審査時にチェックする際マーカーで色塗りが出来ません。何よりも読みづらいのです。
仕事等で書類を作成する際、感熱紙で提出されますか?もらった場合はどうお感じになりますか?
- 記入はペン等で、鉛筆はNG
- 第三者が修正可能な鉛筆書きはしないで下さい。
QSLを鉛筆で書く人はいませんよね?消しゴムで消し、書き換えられるのでは「交信証」という証明にならないからです。
2)サマリーシート サンプルはここをクリック
- QSO、ポイント、マルチは確実にチェック
- ログシートを書き終えた後の転記ミスでしょうか、ログシートと数字が違っていることがあります。
- 計算は確実に
- 最も多いミスですが、計算が違っているケースがチラホラ・・・・。私が審査した時は、多く申告されたものは修正し、少なく申告されたものは修正せずに発表しました。幸いにも入賞には影響しませんでしたが・・・。
- 参加部門はルールを見て明確に
- 参加部門が空白では困ります。シングルバンドで運用していても、マルチバンド部門にエントリー出来ますし、電信のみの運用でも電信電話部門にエントリー出来ます。コードも正確に記して下さい。
- 住所・氏名・資格・電力等は確実に記入
- 名無しで提出する方もあるとか(今回はありませんでしたが)。資格・電力が記載されていないものはありました。
電力別の部門があった場合、参加部門と電力の照合が必要です。(この点は、JARLの規約に準ずることが多いでしょう)
そもそも省略する必要があるのでしょうか。
- 自分のコールは移動(/)も含め記入
- 移動地が明記されているにもかかわらず、自分のコールにその記述が無い方がいました。これもコンテスト上のきまりです。
/0と書べきところを/P0と記入される方もいます。これも正しくありません。
5エリアへ移動したら、/P5となるので大騒ぎですHi!
- リグ・ANTも記入
- 現コンテストのサマリーでは、リグとANTを明記する欄があります。ほとんどのコンテストは「記入不要」とルールに明記されていません。これも未記入である方がいます。
3)ログシート サンプルはここをクリック
- 1シートには1バンドのみ記入
- 1枚のログシートに数バンドのデータを分けて記入された方がいましたが、交信データを照合する作業が煩雑になります。一般的には書類不備扱いになります。
- 同一バンドは交信時刻順に記入
- モード別に分けた方がいますが、交信最終時刻が読みづらくなるので避けてください。これも書類不備になるでしょう。
- 交信日はすべて記入
- 交信時刻は当然すべて記入されていますが、交信日を未記入のままにしておくケースが散見されます。2日以上にまたがって開催される場合(さらに長期間のマラソンコンテストの場合でも)、日が曖昧になるのはいけません。同一日であることを明記すべきです。
同じマーク(〃)を記入する方法もありますが、例に示したような矢印(→)を引いておくことが手軽かと思います。
- 交信時刻は24時間制で
- 午後から開催のコンテストなのに、交信時刻が12時以前のログがありました。
通常のログ・QSLの記入を含めて、AM・PMで12時間制を使うと混乱を招きます。24時間制で記入するのは常識とお考え下さい。
この事例も「時間外の参加」とみなされたり、ログを照合したらQSOの事実が無いという事態になります。
- 送信ナンバー(NR)はすべて記入
- 送信NRのRS(T)+市郡NRは全QSO同じだから、と省略してはいけません。また、コンテストでは多くのQSOでRS(T)を59(9)と送っていますが、いつも59(9)ではないはず、送信NRが空白では書類不備になります。
すべてNRが同じならば、これも上記同様 “〃” か “→”を記入すべきです。
- マルチは”1”ではない
- マルチはマルチ名(当コンテストでは市郡NR)を記入する必要がありますが、1ポイントという意味で“1”と記入された方がいました。
また、新しいマルチだけでなく全QSOのマルチを記入された方もいます。これではマルチの合計を算出出来ません。
- ポイントもしっかり記入
- 1QSOが1点のコンテストでは、成立したQSOには”1”、成立しなかった(あるいは重複した)QSOには”0”を記入しなければなりません。未記入ならばポイントは0点と解釈されても仕方ありません。
- シート下の合計欄も必ず記入
- シート毎のQSO数、マルチ数、ポイント数の小計はしっかりと記入して下さい。ここが空欄になっており、サマリーシートの合計が誤っていた例がありました。
まとめ
今回、いろいろな課題と改善案を提言しました。コンテストを円滑に運営するためには、開催者と参加者が互いにルールを理解し守ることが最も重要なことと考えています。
「問題がわからないことが問題である」という表現があります。問題は公表し、その中で意見を聞いて折衷案を見出すことが出来れば解決策は見えてきます。
主催者・参加者いずれも参考になれば幸いです。
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