2008.10.3

CQ出版社 トランジスタ活用ハンドブック 1968年発行

CQ出版社のCQHamRadio臨時増刊号として1968年5月に発行された『トランジスタ活用ハンドブック』です。B5版全364ページ(広告含む)、、定価は550円です。
HF機でも一部回路にトランジスタが使われ始めたころです。
久しぶりにパラパラとめくってみました。気づいたことは、受信回路は2SA・2SBシリーズのPNPトランジスタの製作記事が多いことです。今はNPNが一般的です。
さらに、回路は+アースが多用されています。今は-アースが当たり前ですので、少し面食らいました。当時発売されていた50MHzトランシーバの名機TR-1000は+アースでした。
トランジスタ回路になってから、プリント基板で回路を組むことが一般的になりました。本章に入る前に、基板の製作方法が写真入りで説明されています。
基板にエッチングで回路を作成する機会も最近は減りましたが、基本は参考になります。もっとも、パターン書きはマジックでは上手くいかず苦労しました。2、30年くらい前まではガリ版の修正液を使いましたが、もう入手不可能でしょうねHi。
 製作記事は、右のようになっています。
 回路図と基板を実装した写真が掲載されますが、基板のパターンは部品の配置を示してあるだけです。(左下図)
部品位置に重点を置き、あとは製作者で自由に決めてください、という意味でしょう。同一形状のパーツが容易に入手出来るとは限りませんから、実装密度を大きくしてギッシリと詰め込む基板よりも、ユーザーが融通の利くほうが望ましいと思います。
 現在なら、製作記事のプリントパターン図をスキャナでPCに取り込み、OHPフィルムにプリントして原版を作り感光基板へ・・・というところです。
下は50MHzの3Wパワーアンプ(ブースタ)の製作例で、トランジスタは2SC799です。りん青銅板上の基板にコイル・トリマを取り付け、ローパスフィルタは銅板のケースに入っています。
トランジスタの出力も少なく、また耐圧・耐電力も低くて破損しやすかった頃です。