2013.5.8

CQ出版社 モービルハムハンドブック 1983年発行

 CQ出版社発行の『モービルハムハンドブック』です。B5版240ページで価格が\1,000、1980年初版発行ですが1983年第3版を入手しました。
 車を運転しながら無線を楽しむ、という意欲は全くなかった頃ですが、社会人になって必要性に迫られ車を購入、リグを載せて何かやってみるか・・・・とおぼろげながら考えていました。
 V/UHFの仲間内だけのQSOは、関心ありません。受信だけでいいからリグ・アンテナのセッティングだけでもしておこう、と入手しました。
 内容は特殊なものではなく、CQ誌の記事の集積です(他シリーズでも同じです)。リグやアンテナのセッティング、アンテナの自作例、アンテナのマッチング方法、各種アクセサリーの製作等が掲載されています。
 現在の車は取り付け基台を固定する箇所が少なく苦労しますが、当時はバンパーホイップ基台であればHFの長いホイップが取り付けられ、大変FBでした。
 アンテナ設置の事例も、写真で紹介されています。普通車のルーフトップにドリルで穴を開け、コネクタを取り付ける事例もありましたが、私はとても自信がありませんHi。
 モービルのノイズ対策で高圧コードをシールドする、という記事がありましたが、これは危険です。(今、実践する方もいないと思いますが)
 以前、仕事でこの類の研究開発をしていました。記事では同軸ケーブルで高圧コードを作り、アミ線をGNDに落とすのですが、老朽して絶縁が悪かったり湿度が高いとリークします。
 プラグの電極間が空気の場合、大雑把に言えばギャップ1mmに1-2kVの電圧を加えると絶縁破壊し、放電して火花が出ます。電流が流れれば、電圧は下がります。
 ところが、エンジンを回している時はギャップはガソリンを含む雰囲気で、かつ気流があるので数-数十kVの電圧を加えないと絶縁破壊しません。コードに電圧が加わりますが、近傍に金属があるとリークしてしまい、エンジン内で放電しなくなります。
 電流は絶縁物の表面に沿って流れます(沿面放電)。エンストまでいかなくても、燃費は悪くなるでしょう。
 V/UHFモービルでノイズはあまり目立ちませんが、HFモービルは結構困りました。イグニッションノイズはノイズブランカだけで解決出来ませんでした。
 もう少しハードの記事が充実していれば・・・・と感じていました。
 現在は、ハイブリッド車のインバータノイズが敵でしょうか。