2014.11.

電波実験社 144MHzのすべて 1985年発行

電波実験社のモービルハム別冊として発行された「144MHzのすべて」です。1985年4月に発行され、B5版194ページで定価\980でした。
144MHzはリグを所有する人口が多く、さまざまなスタイルの楽しみ方があります。一般的な常置場所同志のQSOだけでなく、モービル運用、国内DX、EME、衛星通信、データ通信等が可能です。
多くの方がリグを持っている賑やかなバンドですが、QSOのスタイルで「仲間内だけのお声掛けQSO」「中継局を介したりグループまとめてのQSO」にアレルギーを感ずるアンチ派も多いのも、このバンドの特徴です。
当時ブームだった2mSSBの国内DXの記事がやや目立つ構成ですが、モービルのセッティングや移動運用、CWのQSO、アワード、コンテスト、アマチュア衛星(オスカー)、EME、FAX通信など、多くのテーマを紹介してバランスを取っています。
目を引いたのは、「マイクコントロールの功罪」という章です。距離やロケーションの制約で直接QSOが困難な局同士のQSOを成立させたり、珍局とのQSOを円滑にするため、第3者が仲介して交通整理をするMC(マスター・オブ・セレモニー、最近はTVで司会者を指しています)が存在します。・・・・今でもそうですよね!?
賛否意見を掲載しつつ、MCは否定していますが、現在でも特殊な事情がある場合を除き、日常化すべきことではないと考えます。このネタはCQ誌では見たことはなく、よく取り上げてくれた!と当時称賛しました。
また、水平偏波の有効性も紹介しています。これ以降、水平偏波が通信実験で採用され話題になった記憶があるのですが、現在はネット検索しても衛星通信で利用される事例を除き情報がありません。もう消えてしまったのでしょうか。
私自身は熱心な2mマンではなく、HFを好むマルチバンダーです。近隣の局と多数QSOして親交を深めたり、時にはDX QSOが出来れば良い・・・と考えており、田舎でも使えるFMがほとんどです。
現在でも役立つ内容がほとんど見当たらないのですが、水平偏波の効果は、いずれ電波伝搬実験をやってみたいものです。これは相手あっての話です。