2011.6.18

電波技術社 アマチュア無線回路集 1958年発行

電波技術社発行の電波技術の臨時増刊『アマチュア無線回路集』で、1958年発行の初版です。
ex JA0KR小川さんの遺品で、監修はex JA1FG梶井さんです。
表紙の『術』 『臨』 『回』という漢字は、さすがにPCで入力出来ませんでしたHi。
No.1という文字がありますが、No.2以降の本が存在していたのでしょうか。
いただいた時は背表紙が傷んでページがバラバラになりつつありました。ページを止めていたホチキスのピンがさびて劣化していたので、新しいピンを加工して取り付け、背表紙にテープを貼って修復しました。中身は受信機・送信機の回路(一部実体配線図を含む)が掲載されています。
受信機は3球の0-V-1から11球の4バンドシングルスーパーまで、30弱紹介されています。当時は5・6球で高周波増幅なしのシングルスーパーが標準だったのでしょうか、高周波増幅付きは高級機のようです。別途プリセレクタやコンバータの回路も紹介されています。
送信機は6AQ5・6AR5といった小型MT管で4-5W出力を得る3.5/7MHz A1・A3送信機から、当時の標準機と言える807ファイナルの10W機、さらに813ファイナルの200W機!まで掲載されています。
電話はA3(PHONE)でSSBがほとんど普及していない時代ですが、変調機の回路もあります。ファイナル807の送信部に807でプレートスクリーン変調をかけている事例もあり当時を知らない者には驚きです。
後半になると、メーカーリグ・測定器の回路が掲載されています。現存するメーカーはトリオ(現ケンウッド)だけですが、サンワ・菊水・デリカ等の機器の回路図があり、大変貴重です。
トリオの6R-4S・9R-4・TX-2・SM-1、デリカのCS-6・CS-7等に混じって、なぜかビクター・ナショナル・コロムビア・シャープの5・6球スーパー(中波・短波の2-5バンド)も紹介されています。
デリカ(三田無線研究所)の送受信機・測定器が13台掲載されており、メーカー発表のデータも一部出ています。
左写真はCS-6、CS-7です。
珍しい回路を見つけました。トヨムラの5W送信機ですが、わずか2球でAMの電波が出る、というものです。
カーボンマイクが必要ですが、これで使えたらスゴイでしょう。
海外ではハリクラフターズ・ヒースキットのリグが掲載されています。