2015.3.24

CQ出版社 ビギナーのためのトランシーバ入門 1992年発行

CQ出版社の別冊CQとして発行された「ビギナーのためのトランシーバ入門」です。1992年に発行され、B5版152ページで定価\1,700(税込)です。
自作派が少なくなった時期に、初心者向けのトランシーバを自作して楽しもう、というコンセプトです。理論がぎっしりと書かれた書籍ではなく、製作しながら学んでいこう、という方針が読み取れます。
表紙を開くと、プリントパターンがあります。切り取って感光基板に密着させて感光させれば、基板が出来ます・・・というわけです。基板が割高に感じますが、もうパターンを手書きする方が少ない時代だったかもしれません。
さて実際の製作例ですが、実践的とは言えません。
144MHzの受信機は、バリキャップを用いたVFOがあるので、予備受信機としては使えそうです。
しかし、出力10mWの144MHz送信機は作っても「出来た」というだけで終わりそうです。
パーツを集め実際に製作した方は、どれくらいいたでしょう。

144MHzFMのトランシーバも紹介されています。受信ユニット・局発ユニット・送信ユニット・制御ユニットの4ブロックに分けて基板を製作します。
出力0.5W、水晶6個で6チャンネルの送受信が可能なのですが、水晶1個が\2,000前後だった時代に、ここまで費用をかける価値があるのか・・・という点は意見が分かれるところです。
このような疑問に対し、PLL発振回路の基板製作も紹介されています。比較的安価に多チャンネル化出来ますが、トラブルが発生するとビギナーには解決が難しそうです。(心配するな、と言われるでしょうか・・・・)
今はHFでAMがブームです。50MHzのAMの自作はいかがでしょうか。ハイパワー変調をかける難しさ(ファイナルに高耐圧のデバイスが必要)、周波数ドリフトの問題(VFOの場合)がありますが、ローカルクラブで連絡用に最適かもしれません。
地デジ化でTVIの危険性もぐっと減りました。