2014.11.25

電波新聞社 アンテナ実践マニュアル 1977年発行

電波新聞社発行の「アンテナ実践マニュアル」、「ラジオの製作」の別冊として1977年に発行されました。B5版350ページ、定価1,500円です。
設計の基礎知識から始まり、工作・建設の知識といった一般的な内容に続いてBCL向けの短波アンテナ、FM放送受信アンテナが紹介されています。
ラジオの製作という雑誌の性格上、アマチュア無線以外のユーザー(アマチュア・BCL両方の愛好家も少なくないはずですが)にも配慮された内容ですし、アマチュアバンドのコンディションを把握するには商業放送も活用しましょう。
さて、アマチュアのアンテナですが、製作事例は珍しいアンテナが並んでいます。
VHF/UHFの製作から始まります。50MHzはシンプルな八木が無く、ヘンテナ・デルタループ・クワッド・ダブルダイバシティ・8JK・6エレスタック・5エレX4です。
144MHzは常置場所用でスリーブ・9エレダイバシティ、15エレX2X4がありますが、モービル用でヘリカル、フォックスハンティング用アンテナと多種多彩です。
HFでは、1.9-7MHzロングワイヤ、1.9MHz短縮バーチカル、3.5MHz短縮ダイポール、7MHzループ・短縮2エレ八木、21MHzHB9CV型クワッド・6エレ八木、21/28MHzログペリ、オールバンドモービルホイップ等でした。
パイプの切断・穴あけ等の加工方法から記載しているので、初心者も読者のターゲットにしているはずです。ユニークなアンテナに挑戦して下さい、という趣旨も理解出来ないことはありませんが、「実践マニュアル」ですから、一般的なアンテナの紹介は必要でしょう。
10・20歳代の無線人口がまだ多い頃ですから、製作予算もあまり取れない人でも作れて「それなりに」実践に使えるアンテナが少ないのは、残念です。