HFローパスフィルタ LF-30A・FD-30LS

2014.2.4作成
目的
LF-30AとFD-30LS シャックの片隅から、もらいもののローパスフィルタが2個出てきました。現在でも使用可能なようですが、フィルタ特性を取ってみました。
定格
 1個はトリオ(現JVCケンウッド)のフィルタLF-30Aです。電力も1KWまでOKですから、100W機につなぐには十分です。
 1970年代にはあった製品と記憶していますが、当時のトップメーカーですからTVIに悩むユーザーには多く使われたようです。
 開封していませんが、6段のフィルタのようです。
 もう1台はダイワのフィルタFD-30LSです。こちらは小型のフィルタで、電力も100Wまでです。カットオフ周波数が32MHzと記載されています。昔フジデンというフィルタのメーカーがありましたが、OEMかもしれません。
 表面のラベルを拡大しておきます。
LF-30Aの表示FD-30LSの表示
通過損失
 SG(HP8656B)から信号を入力し、出力をスペアナTR4131に接続して特性を評価しました。
 1-30MHzの実用域のロスは、いずれも-0.4dB以下と測定誤差の範囲で問題ありません。性能上は十分実用になります。
 また、いずれも32MHz付近からロスが出始めますが、FD-30LSのほうが周波数変化が大きくなりました。しかし、48MHzの-70dBをピークに-60dB台に戻ります。
 LF-30Aは30MHz以上のロスの変化こそ少ないものの、以降は測定限界の-80dB以下を保持します。
 減衰特性の考え方の違いで設計が異なっただけです。
 TVが地デジ化した現在、TVI対策のツールにはなりません。
 あえて活路を見出すとすれば、50MHzで同時運用する場合の相互干渉防止のフィルタでしょうか。
 古いリグのFM放送へのBCI(BCIは中波・短波放送へのインターフェアのイメージがありますが)にも使えるかもしれませんね。