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申請書を考える

 はじめに 

 アワードマネージャーとしてアワードの発行を担当し、多くの申請書を見てきました。感ずるところがありますので、発行者サイドから見た申請書のあり方を提案したいと思います。
 申請書を書こうとしているアナタ、ご一読下さい。

1)JARL制定の申請書は万能選手ではない  発行者は誰?−

 多くの申請者は、JARLで販売している書類を購入するか、同様の形式で自作された書式を用いて申請書を送ってきます。
 この事自体は別に構わないのですが、誤りがちなのが発行者名です。
 「日本アマチュア無線連盟会長殿」と印刷された申請先を修正せずに送ってくる方が結構います。JARL発行のアワードでない限り、この記述のままでは正しくありません。
 さらに、「XXX殿」とマネージャーの個人名を書く人もいます。私個人の発行物では無いのですが。
 ここは「日本アマチュア無線連盟会長殿」を抹消し、発行団体名・個人発行の場合は個人名を書くべきですね。「XXXクラブ アワードマネージャーXXX殿」と書いていただいても間違いではありませんが、そこまでしなくても良いでしょう。

2)申請書のサイズに注意!

 申請書のサイズを「A4限定」とするケースが増えてきています。若干の反発の声もありますが、書類を管理する側から見て守っていただきたいことの一つです。
 サイズがどうあるべきか?は議論すべき点ですが、JARLが制定し販売しているアワード・コンテストのシートがA4(JARLコンテストの場合、A4以外で提出すると失格)になっています。我々の世界だけでなく、世の中の書類はA4サイズに移行しています。
 皆さんが仕事で使用されているファイルに綴じられた書類の大きさがまちまちだったら、困ることがあると思います。大事な書類を捜した時、小さな紙であったためについ見逃してしまったということはありませんか?趣味の世界とは言え、書類管理は結構重要なことです。
 「アワードが届いていない」というクレームが申請者から届いたが、調べてみたら大きな書類の間に小さな書類がはさまれて確認できなかった・・・・こんな見落としも無きにしもあらず。書類管理の立場もご理解ください。

3)サイズは書式だけではない

 申請書とQSLリストをそれぞれA4サイズにプリントアウト出来る書式を用意しました。HPからダウンロードし、使用出来るようにという配慮です。
 ところが、A3用紙1枚にこの2枚をコピーし、申請したものが出現しました。
 書式は確かに実物大なのですが、紙が1枚になっている・・・・・マネージャーが切ってください、という意味でしょうか。

4)紙の質も考えて欲しい!

 こんな変わった例もあります。
A4サイズを縦横数センチオーバーしています。特殊サイズの紙は勘弁して欲しいですね。現在はオーバー分を折ってファイリングしています。
感熱紙を使った申請書もあります。これは数ヶ月で変色してしまい保管が利きませんので、「申請書」という書類には適しません。
・申請書類が印刷物の裏を使用しています。見ると、本人宛の「健康保険料のお知らせ」という記述が
 いくら省資源・リサイクルの時代とは言え、やりすぎではありませんか?

5)QSL所持証明のスタイルを良く確認を!

 申請時にQSLを直接送るルールは非常に少なく、QSLリストに記入されたQSLを持っていることを第三者に証明してもらう「GCR」が一般的です。ところが、最近いろいろなパターンがあるため混乱気味のようです。
 QSLを直接送らない方法は、以下の3つのパターンがあります。
a) リストとQSLを他のアマチュア局に確認・証明してもらう。この際、印鑑が必要。
b) a)同様に証明してもらうが、証明はサインだけで可・印鑑は不要。
c) リストは自分が正しい!と宣言、サインすれば証明不要
 a)、b)の印鑑の有無ですが、個人的には印鑑不要を提案しています。官公庁でも、自筆サインであればOK、というところが増えています。日本はハンコ社会ですが、海外へ行けば銀行でもサインです。日本でも、クレジットカードはサインですね。
 最近はc)のように第三者の証明は不要で、自分自身の良心に誓えば申請書としてOKというものが増えてきました。これも流れの一つです。
追記(2007.7.18):  JARL発行のアワードも、数年前にb)からc)になりました。
 しかし、申請書には「内容が正しいことを誓います」という一言は必要です。一般の申請書を流用する時は、第三者の証明欄の前書きで「証明します」という部分を「誓います」と書き換えてサインすれば良いでしょう。

6)QSOだけで申請出来る場合もあるので5)と勘違いしないこと

 QSOさえすればQSL取得は不要というアワードも出てきました。これも一つのスタイルですが、まだQSLが必要なアワードが主流です。
 ところが、QSOだけで全てアワードは申請出来ると勘違いしている方がいます。
 良くルールを読んでいただきたいものです。

7)申請書は正確に

 記載事項のミスと思われる点が散見されます。
・コールの記入ミス
  コールがJA0XXXX・・・・4文字!
  この局はQSO時にはサイレントキーのはず・・・・??
・この局はXX市の局ではない
  移動局で/0を忘れた?・・・これは非常に多いのです
 「キー入力ミス」と弁明されても・・・。宣誓サインの持つ意味は何でしょう?
 パソコンデータだけで申請書を作成しているようです。必ずQSLを取り出し確認しましょう。地元から見れば、この局はXX市のはず・・・と、よくわかります。

8)データは可能であれば少し多めに出す

 20局必要という場合であれば、さらに1〜2局のデータを記入することです。データの中で不備や疑問点があった場合でも、予備を考慮して規定を満たしていれば申請は受理されます。
 DXCCを初めて申請する場合、数エンティティ余分に申請するように求められています。DXCCはQSLを1枚ずつチェックし、記載事項に不備があったり運用そのものを無効と判断されるQSLもあります。これらがあっても余分によってルールを満たしていれば受理されるわけです。
 JARLのVU-1000のように10000まで増えていくルールの場合、このやり方が難しいのは理解しています。しかし、データが少ない場合はやっても良いことではないでしょうか。

9)なるべく一言手紙を添えよう

 アワードマネージャーは楽そう?に見えても、いろいろ配慮しています。
 発行業務もそれなりに時間がかかります。申請書は一応確認しますし(1局ずつコールブックでチェックするマメな方もいるようですが、私はズボラなのでそこまでやりませんHi)、疑問点があれば問い合わせもします。金銭を扱いますので管理も必要です。当然発行モレなどあっては大変なことです。
 ちょっと一言、手紙かメモを添えてみてください。受け取る側は気分的に楽しくなります。申請された方とQSOする機会があれば、話題の一つにもなります。
 我々のように個人でマネージャー業務をやっている場合、多くがボランティアでありJARL事務局の職員とは異なります。封筒をあけたら申請書と定額小為替・・・よりは、「よろしくお願いします」の一言があるだけでやる気が出てきます。
 (決して無理強いするものではありませんが)
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